ハワイでドライブ事始 №3「《格安追求 !! ハワイ3島ドライブ旅行》(№1/?)」1995.6.3~15《♂62♀59》)★まえがき(2003年4月19日追記) 私達夫婦がハワイを前後2回に亘って訪れたのは、既に一昔程前の事であった。ところが、この楽天公開日記という記事の性格上、ランダムで飛ばし読みする訪問者も多く、よく最近の旅の記録と勘違いされる方も多いようだ。改めて標題を常に念頭に読み進まれるよう先ず付記しておきたい。 またついでに、その二度に亘るハワイ旅行の時代背景その他の参考事項も念頭に置いていただく方が…と、以下に略記しておく事とした。多少共ご参考になれば幸甚である。 ***《参考事項》**************************************** ☆第1回目「ハワイ6日間こんな旅」(楽天日記2003年4月13日~18日掲載)の所要経費と時代背景 Ⅰ旅行日…1993(H5).5.18~23(4泊6日) Ⅱ年齢……夫60歳&妻57歳 Ⅲ費用総額… 396042円(一人当たりの費用合計198021円) ※1:記載額は、総額・内訳ともに夫婦二人分合算 ※ドル購入分は円換算記載(カード決済を除く適用レートは1㌦=120円) 《内訳》 ①ツアー料金 243600円(旅行社支払総額…条件は本文参照) ②旅 装 費 11197円(ガイドブック、コンパス、サンダル他) ③観 光 費 79115円(レンタカー、セスナツアー、クルーズ、見学料等) ④食 事 代 21154円(昼3&夕4食代&飲物、スナック類等) ⑤土 産 代 18013円(ムームー・アロハ、干肉、貝細工、菓子等) ⑥記録機材費 14000円(VTR&MCテープ、フィルム、電池など) ⑦追加保険代 6450円(カード付帯額補充&運転特約保険) ⑧雑 費 2513円(集合地までの往復交通費) Ⅳ「1993(H5)年の内外特記事項」 *大型不況深刻化(通年) *不倫小説『マディソン郡の橋』がベストセラーに(通年) *世界各地で異常気象、秋には日本もコメを緊急輸入(通年) *北朝鮮の核開発疑惑で緊張高まる(通年) *クリントン米大統領就任(1.20) *ハワイ出身の曙関が初の外国人横綱に(1.27) *金泳三韓国大統領が就任(2.25) *NYビル爆破事件 FBIがイスラム原理主義者を逮捕(3.5) *金丸前自民党副総裁を脱税容疑で逮捕(3.6) *サッカーJリーグ開幕(5.15) *カンボジアで制憲議会選挙実施(5.23~28) *ミシシッピ川で大洪水(6月~9月) *皇太子・雅子さまご結婚(6.9) *北海道南西沖地震で奥尻島青苗地区が津波で大被害(7.12) *細川首相を指名し、連立内閣がスタート(8.6) *イスラエルとPLOが相互承認(9.9) *2000年五輪はシドニー。北京は次点(9.23) *インドで大地震(9.30) *米で銃規制法が成立(11.30) *ロシア政争、エリツィン大統領が武力で勝利(12.12) ☆第2回目「格安追求 !! ハワイ3島ドライブ旅行」(楽天日記2003年4月19日~??日掲載) Ⅰ旅行日…1995(H7).6.3~15(12泊13日) Ⅱ年齢……夫62歳&妻59歳 Ⅲ費用総額… 398063円(一人当たりの費用合計199032円) ※1:記載額は、総額・内訳ともに夫婦二人分合算 ※2:妻還暦記念ニーハオシェル首飾代、約8万円は除く ※3:ドル購入分は円換算記載(カード決済を除く適用レートは1㌦=85円) 《内訳》 ①交 通 費 196000円(航空券ほか) ②保 険 料 22380円(自動車運転特約料込) ③観 光 費 25583円(レンタカー、見学料等) ④食 事 代 34335円(飲食物、スナック類外食代等) ⑤土 産 代 35284円(-干肉、貝細工、菓子等) ⑥記録機材費 26822円(VTR&MCテープ、フィルム、電池など) ……………………………………………… ※⑦妻還暦記念ニーハオシェル首飾代、約8万円は除く Ⅳ「1995(H7)年の内外特記事項」 *大型不況深刻化(通年) *不良債権の影響で金融不安拡大(通年) *絶えぬ“いじめ死”(通年) *景気低迷で空前の就職難、失業率上昇 (通年) *阪神大震災死者5502人(1.17) *地下鉄サリン11人死亡、オウム事件摘発(3.20) *統一地方選、無党派旋風吹き荒れる(4.24) *都市博中止、問われる公約(5.31) *米兵の女児暴行事件で沖縄米軍基地問題紛糾(9.4~) *仏、核実験を強行(9.5~) *ミャンマーのスー・チーさん6年ぶり解放。が、先行きに不透明さ…(7.10) *イスラエルの鳩派ラビン首相暗殺さる(11.4) *野茂、大リーグで新人王(11.9) *盧泰愚前韓国大統領を逮捕(11.16) *2信組乱脈融資事件、山口元労相を逮捕(12.6) ******************************************************* おやおや、続けて本文に入るつもりだったのに早や後もう少しで午前零時…。無理をして怖い「SARSビールス」とやらに犯されては、それこそ未完に終わりそうですので今日の日記は予告編のみで擱筆。 ******************************************************* 第1日目・1995(H7)年6月3日・土・晴 (6/3-前半):羽田空港⇒ホノルル空港 ★国際線発着客を無視した横浜駅⇔羽田リムジンバスダイヤ 正午過ぎ、車で迎えに来てくれた二美一家に送られ、沼津始発の普通電車で3時前に横浜着.横浜から京浜急行のリムジンバスで羽田へ向かった。 …と。ここまでは予定どうりだったのだが、このバス何と、遥か手前に在り料金も割安な筈の国際線ビルには、目の前を通りながら素通りしてしまい、新設された豪華な国内線ビルまでノンストップ。このため大汗かかされて同社の一般バスへ乗り換え、二人して往復千円ほどの損と1時間近い無駄足をさせられ、漸く羽田国際線ビルに逆戻り。運転手は「午前中だけは停車しているが、午後は通過することになっている」と、頼んでも停めてくれず、本当に腹立たしかった。しかし切符も既に往復共クーポンで買ってあり、帰路もまた同じ思いをさせられるのかと、今から苦になった。 現在の羽田国際線ビルは、中華航空・台北ホノルル便の発着だけに使用されているだけではあるが、往復便とも午後の昼下がりと夜更けの発着である。このダイヤ編成だけでも、現在の同区間のリムジンバスは国際線利用者を完全に無視していて、公共の足として認可を受け運行している交通機関としては欠陥商品である。それに空港往還のリムジンバスなのに、利用者から要請されても床下の荷物室の利用も拒否する理不尽さだった。これでは何のための空港連絡リムジンバス なのかと、重い荷物の上げ下げや移動に手を焼く度に痛感した。 ちなみに、羽田空港はバスもタクシーも全て京浜急行の独占状態であった。集合時間や荷物の重さが気になる客は、困って同社のタクシーを利用せざるを得ないだろう。幸い私たちは時間の余裕を十分みて出かけてきたので、被害を最小限に食い止めたというものの、これでは京浜急行が系列あげて、ペテン商法を企てているようにさえ思えてくるではないか…。 ★格安航空券は高値安定? でも買い方次第でウン万円の差 さて今回のハワイ行きは、旅の情報誌『abロード』で最低価格の会社を選んだ初めての格安航空券利用と会って、購入先の㈱マップインターナショナル「アクロス・パート1」を通じての切符の授受が、実際に現物を手にするまで一寸心配だった。しかし約束どうりに係員が来ていてホッと安心、無事搭乗手続きを済ませることができた。現地税3千円と連絡電話代や送金料を含め、航空券入手代金は6万4千円程についた。一時は更に一万円程も安い格安航空券が出まわっていたものだが、あの政府が干渉した航空運賃改定以来、業者間の協定が出来たらしく、どうやら高値安定の感もする昨今ではある。しかし会社によって同便同クラスでも未だ上下2万円程も価格に差があるのが現状だ。格安航空券情報の入手と比較は、格安旅行を志す者にとって先ず第一の関門と言えよう。 ★空港の軽食コーナーで出会った、仲良し母娘連れと、ハイカラ老夫婦 出発は9時35分だったが、夕食の機内食が出るとの事だったので、一箇所しかない軽食コーナーで、ラーメン一杯を腹もたせに二人で食べておこうと席に着いた。すると、右隣でも同じ便でハワイへ向かうらしい若い女性二人が楽しそうにラーメンを啜っていた。同僚かと思われた二人だったが、その会話から母娘連れだと判った。私たちは何れからともなく親しみを感じ、いつか楽しい旅の計画を披露しあい話が弾んだ。 彼女達は成田から来られた由。6日間の現地フリー・ツアーだということだったが、参加料金の安さから申し込んだハワイ旅行が、たまたま中華航空だったという事らしい。ハワイは初めてとかで、ワイケレ・センターへの行き方など私達は色々尋ねられた。母娘揃って機内食が苦手なので今のうちかに腹ごしらえしておくのだと話していた。 また、こうした話を私達がしていると、左隣にいた私達より年上らしい年配のご夫婦からも話しかけられ、話は更に花が咲いた。同じ年金暮らしと聞いたが、毎年3ヶ月程は行きつけのホテルを利用してのハワイ暮らしだという。今回のメインスケジュールはホノルルから一週間でハワイの島々を巡る船の旅だと聞いた。羨ましい話だが、彼等に言わせるとハワイなら年金内で楽しく暮らせるからと言う事だった。慣れればオアフ島内なら安いバスを利用して何処へでも行け、食費も医療費も娯楽費も日本より遥かに割安だ。それに第一、気候が良いのでハワイにいる間は体の調子が良いとの事。それなりの年金額あってのことであろうが、ハワイ暮らしが板に付いてか、家内よりグンと派手な衣装や装飾品類を身に着けていながら、嫌味は感じさせない明るい夫人と優しそうな旦那様だった。 ★美味しかった中華航空の機内食 やがて私達はともに中華航空機に乗り込み、ほぼ定刻にゲートを離れ、夜の闇を突いてハワイを目指した。主翼後方の窓際席に座った私は、機は東京湾沿いに大きく左旋回しながら、川崎や横浜に続く三浦半島の美しい街の灯を右下に見て次第に洋上へと進むのを、ビデオカメラのシャッターを時折押しながら、飽かずに眺めていた。 それから程なくして運ばれた機内食は、肉料理と魚料理の二種選択性だったので夫婦別々に選び分け合って試食したが、何れも予想以上の味だった。近くの席だった成田からの母娘連れの二人も、思い切って食べたら意外なほどの美味しさでしたと感想を漏らしていた。 夜行便のためか早々と眠りを優先させる乗客が目立ち、私達も遅れじと瞼を閉じて大空の夢路に入った。 × × × × × × × × 洋上の夜明けは早かったが、それよりも僅かに早く目覚めて洗面を済ませた私が席に戻り、窓を開けると美しい朝焼けの空が翼を美しく染めていた。眠っているうちに日付変更線を逆に越えたため、時計をハワイ時間に直す。日付はそのままで時刻は同じ3日の朝6時前であった。 やがて配膳された軽い朝食も、結構な味であった。食事の片付けが終わると、もう向こう側の窓からカウアイ島が見え始めたらしく、機窓を覗く人々が目立った。もうオアフ島まで一っ飛びだ。 クルーの人達も補助席に着いて安全ベルトを締める.機はグングン降下していく。私達が座る右の機窓にも下界が見え始めた。椰子の木茂る海岸の向こうに、ハワイの青い海と白い波が騒ぐ。続いて軍用機が並ぶ飛行場が目の前を過ぎ去った。…そう思う間も無く、車輪が滑走路に着地し軽い衝撃音が伝わる。無事ホノルル空港到着だ。時刻もほぼ定刻、7時50分であった。 (6/3-後半):ホノルル空港⇒ハワイ島キラウエア山頂泊 ★ 知らなきゃ損々!! ハワイアン航空の乗り放題切符 国際線ビル1階で荷物を受け取り、ガラガラとトランクを引きずって少し離れた国内線ビルまで歩く。私達はハワイアン航空の5日間乗り放題切符を、既に近畿日本ツーリストを通じて入手していた。153㌦64㌣だった。1㌦85円として13060円になる。但し今回は代理店の手数料込みらしく支払額は14000円だった。また日本で購入して行った場合、ネイバー・アイランズ間のワン・フライト切符は67㌦27㌣との事なので、此れは往復運賃に毛が生えたような額で、驚くほど安い。 出発の受付は2階だった。まずハワイアン航空のカウンターで、クーポン券を示し、取り寄せた同社時刻表で計画した5日間内に利用する全5便の予約を済ませた。英会話に疎い私だったが、日本語の出来る社員を呼んでくれと頼むことで、親切な日系二世氏の応援が得られ随分と助かった。 ただこの便利な乗り放題券にもちょっとした条件があった。初日の移動だけはハワイ到着後12時間以内にしないと、普通料金を請求されることもあるとか…。このため初日はホノルルで一泊し、後半の宿の予約をしてから他島へ渡ろうと考えていた私たちだったが、到着後3時間後に出発するハワイ島ヒロ行きに変更、10時10分にホノルル空港を飛び立った。 この日のオアフ島はやや雲が多く、ワイキキの海岸やダイヤモンドヘッドも、時々雲間に見え隠れしながら遠ざかって行った。 約4~50分の飛行中、機内ではサービスのトロピカルジュースが配られた。また折から客寄せ企画として搭乗時に配られていた、ホンダシビックほか豪華賞品の夢も見られる「ドリームズ・イン・パラダイス券」もあった。これは以後、同社航空便に乗る度に配られたので、5日間の乗り放題期間中に、経由地で便名が変更しWチャンスに恵まれた分も含め計6便、二人分で12枚も貰えた。一種のスピード籤で、銀色の塗料で覆い隠された部分をコインで擦り、十数種ある各種の模様が三つ並んだら、その模様ごとに定められた賞品が手に入るという仕組みだった。他に十年間通用のハワイ・コンドミニアム年1ケ月利用券10枚とか、タヒチ旅行などもあった。しかし勿論確率は豪華賞品ほど高嶺の花で、私達が手にした計12枚のうち、当ったのはマクドナルドのビッグバーガー券1枚と、ハワイアン航空社名入りバッグタック引換券1枚だけ。だがこんな子供だまし的な籤であっても、もしかしたら車一台貰って帰れるかと、随分機内の夢を楽しませてもらった。 さて、島伝いに半時間ほど東進を続けた機はマウイ島を過ぎるとハワイ島の北側から回り込んで、東岸中部にあるヒロ空港に向かった。進行方向右手に当る反対側の窓から、標高4206㍍もあるハワイ諸島の最高峰マウナケアの頂が良く見える様子であった。しかし生憎とこちら側の窓は、遥かにアメリカ本土へ続く海また海。だからと言って反対側の空席に移ろうにも、既に着陸態勢に入っていて儘ならず、ビデオカメラを望遠にして遠くの窓の風景を追っては見たが、時すでに遅く見えたのは山麓風景だけで一寸残念。そうこうするうちに機は緑に囲まれたヒロ湾に近付き、湾口を回りこむようにして着陸した。 ★ハワイ島ヒロ空港到着は10時56分だった。着後、レンタカーの予約時間までタクシーで市内観光に出かける。大きなトランクを持ち歩くのもと思い、一時預けかコインロッカーを探したが分からず、日系人らしい職員に相談したところ、自分の管理する倉庫に快く預かってくれた。そのうえタクシーの交渉から日本食レストランの紹介まで、細々と面倒を見てくれ感謝感激だった。 車は先ずヒロの江ノ島と日系人達が例えるココナツアイランドが岸を接する部分に位置した大きな日本庭園に立ち寄る。鬱蒼とした南国特有の木立が風情を添えるのはバニアン通りとか。大分前の津波の恐怖が今も残るダウンタウンの一角を抜け、車は山手に入ってレインボー・フォールへ着いた。さしたる規模ではないが、午前10時頃になると美しい虹が滝壺に架かるとと聞いた。 しかし美しさに見とれてばかりいられないのが、最近のこの滝でもある。ガイドブックによれば、日本人観光客が地元の悪ガキ共に襲われ金品を脅し取られる事件が起こったとか…。そんな事を思い出しながら大男の運転手チャック氏に記念撮影をしてもらうと、早々に海岸沿いのレストラン「NIHON」に戻って昼食にした。 前庭奥の広々とした階段を上り、床下が駐車場となった高床式の建物の中に入る。一角に寿司バーもある結構な広さの店構えだった。ハワイに来て早々に寿司でもなかろうと、ヒロ湾の眺め美しいベランダに出て食卓に座る。現地特産の白身魚「バターフィッシュ」の味噌焼や、牡蠣、帆立・海老といった「シーフード・フライ」を注文したが、期待したほどの味ではなかった。 30㌦ほどの勘定を済ませ、迎えを頼んでおいた先刻のタクシーに乗り空港に引き返す。 すると運転手のチャック氏が何かしきりに話しかけてきたものの暫し意味不明。漸く、先程の滝で私達に記念撮影を頼まれた際、観瀑台の岩の上に携帯電話を置き忘れ、直ぐにとりに戻ったが後の祭り。警察に拾得届の有無も問い合わせたが駄目で、三百㌦を会社へ弁済しなければならなくなったと、ボヤいているのだと分かる。サングラス越しだが、半ベソを書いている様子だった。結局撮影を頼んだ私達にも一端の責任無きにしも非ずと、28㌦の運賃に10㌦のチップを上乗せして気持ちを表し、励ましの握手をして別れた。 ★火口の宿「VOLCANO HOUS」で働く日本人女性「アキコ」さん 今夜の宿は、今も時々大噴火して世界中に名を知られる活火山キラウエアの山頂だった。空港からキラウエアへの道は、直ぐ近くの国道に出ると山頂まで、途中に分岐点が一ヵ所あるだけの殆んど一本道で分かり良かった。行き交う車の数も少なくて快適なドライブが楽しめた。ただ山頂に着いて直ぐ目に入るビジターセンターの前を左折すれば、直ぐのように地図では見えた宿舎への入口が分りにくく一寸困惑した。仕方なくシドロモドロの英語で同所員らしい男性に順路を尋ねてみたところ、先程のビジターセンター手前の道が実は一方通行の出口で、同所を少し行き過ぎた先の左折路だと教えられ、漸く行き着いた。 宿の名は「ボルカノ・ハウス(VOLCANO HOUS)」、今回の旅の宿で唯一の予約して泊まった宿であった。 「旅の初日から宿探しなんか御免だから…」と誰かさんに泣きつかれ、数ヶ月前でないと予約は無理とガイドブックにあった人気のこの宿だったが、出発の前日になって国際電話を入れてみた。すると、半ば無いと言う返事を予想していた私の期待に反し空きがあるという…。火口側のツインルームで値段は込々で約145㌦。格安旅行を主眼とする私の腹つもりからは大分荷が重い。しかし誰かさんの手前もあり、事のついでと申し込んだ宿でもあった。 そこは、今も各所から白煙を上げ続けている荒々しい火口原を眼下にした、崖っぷちの木造二階建てだった。山頂唯一の宿泊施設のためか、全室共シャワーのみでバスタブもテレビも無いという、部屋そのものの設備は割りに質素ではあったが、窓からの眺望は正に絶景そのもの、値千金を思わせるものであった。また名門ホテルが間接的に経営を任されていると聞くだけに、従業員の態度も皆とても感じが良かった。 ところで、この宿で忘れられないのが、玄関脇のABCストアーで働く唯一人の若い日本人、アキコさんの存在だった。 予約電話を架けた時に世話になったので、買物に立ち寄り礼を述べたわけだったが、ついでながらと話しかけた私の所用にも実に懇切に応じてくれた。実はこの旅の出発直前、先のタイ旅行で知り合った南アフリカのClucas夫妻から、野生に満ちた同国のガイドブックとも言える豪華な本が贈られてきた。このためハワイへ着いたら発信しようと急ぎ作成してきた礼状に、ホノルル空港で買い足し「愛娘さんへ」と記したポリネシア民話の絵本を添えた小包便を送ろうとしていた私は、彼女に郵便局の所在を尋ねてみたのである。するとこのホテル内には無く少し山を下った所らしかったが、迷惑も顧みぬ私の頼みを快く引き受けてくれ、梱包から発送までを実費で代行してしてくれると言う話になった。また寸志として差し出した僅かな謝礼すら、配慮無用と固辞されたので何のお礼も出来ぬままになってしまった。 …青森県生まれだと言っていた今時珍しい純な姿が、清々しかった宿「VOLCANO HOUS」の印象と重なり、年老いてカサついた私の心に今も暖かく残る。 **参考事項***************************************************************** ★支出経費明細(6月3日) *初日宿舎「VOLCANO HOUS」予約国際電話料………………………………… 1515円 *沼津⇔横浜列車運賃(@3180円×2)…………………………………………… 6360円 *横浜⇔羽田バス運賃(@ 540円×2)…………………………………………… 1080円 *羽田空港内連絡バス往復運賃(@ 400円×2)………………………………… 800円 *羽田⇔ホノルル格安航空運賃(@14000円×2)……………………………… 125600円 *ハワイアン航空5daysフリーパス代(@14000円×2)……………………………28000円 *「VOLCANO HOUS」火口側ツインルーム税込宿代(144㌦32㌣)………………12511円 *ハワイ島ハーツレンタカー1300cc1日レンタル料(VISA決済53㌦02㌣)……… 4596円 ******************************************************************************* ジャンル別一覧
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